ご挨拶

理事長 藤山 勝伸

住友生命福祉文化財団は、生命保険事業の基本的理念である共存共栄・相互扶助の精神に基づき、1960年に住友生命保険相互会社の寄付により設立された財団法人でございます。設立以来60余年、定款第3条に掲げるとおり、「援護を要する人々を含む国民すべて」を対象に、「健康で文化的な生活を営む」ための各種事業を通じて、「より良い社会の実現に貢献する」ことを目的として、真摯に取り組んでまいりました。

1960年の移動診療車による健康診断からスタートした予防医学振興事業は、1972年の「住友生命総合健診システム」開設と1989年の現在の地(新大阪)への移転を経て発展を続けてまいりました。1961年に満100歳以上の方へ毛布を贈呈する「長寿慶祝行事」でスタートした福祉事業も、以降は「介護」、「障がい者」、「子ども」、等時代や社会の要請に応じて支援対象を見直しながら今日まで継続しております。
さらに1990年に開館された「いずみホール」を2001年に財団の事業として編入し、クラシック音楽の主催公演等の音楽文化振興に取り組み、2020年には「住友生命いずみホール」へ改称するなど、事業の基礎は揺るぎないものとなっています。

私たちはここ数年のコロナ禍で、今まで体験したことのない環境変化や、想像もつかなかったような行動変容を経験してきました。更に、紛争、人口や食料・貧困問題等、世界は多くの複雑な課題を抱えています。
しかしながら、より良い社会の実現のためには、いつの時代にあっても「人」と「人」が互いに支えあい、助け合うことが必要であることに変わりはありません。

私どもは今一度、定款の財団設立目的に立ち返り、設立以来60年以上の長きにわたる歴史と伝統をこれからも大切にしつつ、SDGsやウェルビーイングに支えられた新たな時代における「より良い社会の実現」に貢献すべく努力してまいる所存でございます。
皆様の暖かいご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。